高齢者の転倒・転落事故は家庭内で頻繁に発生し、骨折や頭部外傷などの重大な怪我につながることがあります。特に高齢者は骨がもろく、軽い転倒でも大きな影響を受けることがあるため、迅速かつ適切な対応が重要です。本記事では、転倒・転落時の適切な対処法や応急処置の方法について解説します。
目次
1. 転倒・転落直後の対応
① まずは状況を確認する
- 転倒した本人に 「大丈夫?」 と声をかけ、意識があるか確認する。
- 強い痛みを訴えているか、動けるかどうかを確認する。
- 頭を強く打っていないか、意識がぼんやりしていないかを見る。
- 体のどこに痛みがあるのか、骨折や出血の兆候がないか確認する。
② 無理に動かさない
- 転倒後に強い痛みがある場合は、無理に起こしたり動かしたりせず、安静にさせる。
- 意識があるが痛みがある場合は、その場で体勢を整え、落ち着かせる。
- 頭を打っている場合は特に慎重に対応し、しばらくその場で様子を見る。
③ すぐに救急車を呼ぶべきケース
- 意識がない、または一時的に失っていた場合
- 頭を強く打ち、出血や嘔吐がある場合
- 強い痛みで動けない場合(骨折が疑われる)
- 足や腕の変形が見られる場合
- 痙攣や手足の麻痺がある場合
119番に連絡し、状況を正確に伝えましょう。
2. 転倒後の応急処置
① 意識がある場合の応急処置
- 冷静に声をかけて落ち着かせる。
- 骨折や脱臼が疑われる場合は、動かさず安静にさせる。
- 腫れや痛みがある場合は、冷たいタオルや氷嚢で冷やす(20分程度)。
- 出血している場合は、清潔なガーゼやタオルで傷口を押さえて止血。
② 骨折が疑われる場合の応急処置
- 骨折部位を 固定 し、できるだけ動かさない。
- 腕の場合 → 三角巾やタオルで腕を支える。
- 脚の場合 → 毛布やクッションで支え、体を安定させる。
- 救急車が到着するまで安静にし、無理に動かさないよう注意。
③ 頭を打った場合の対処
- 意識がある場合 → その場で休ませ、目を閉じて安静にする。
- 意識がない場合や嘔吐がある場合 → 救急車を呼び、仰向けに寝かせる。
- 意識が混濁している、異常な言動が見られる場合 → すぐに医療機関へ。
④ 軽傷の場合の対応
- 転倒後に 痛みが軽く、特に異常がない場合 は、ゆっくり起き上がる。
- 無理に立ち上がらず、まずは座った状態で深呼吸。
- ゆっくりと体勢を整えながら、支えを利用して立ち上がる。
- 数日間は痛みや腫れの様子を観察し、異常があれば医師に相談。
3. 転倒を防ぐための日常対策
① 家の中の安全対策
- 階段や玄関に手すりを設置する。
- 滑りやすい床には滑り止めマットを敷く。
- カーペットの端がめくれないよう固定する。
- コード類を整理し、足元の障害物を取り除く。
- 浴室には手すりを設置し、滑り止めマットを敷く。
② 生活習慣の改善
- 適度な運動を行い、筋力を維持する(スクワットやウォーキング)。
- バランストレーニングを取り入れる。
- 定期的に視力検査を受け、必要に応じて眼鏡を調整する。
- 適切な靴を履き、歩行を安定させる。
③ 転倒時の備えをする
- 一人暮らしの高齢者は緊急通報ボタンを用意する。
- 家族や近隣の人に連絡しやすい環境を整える。
- 転倒時の行動を事前にシミュレーションしておく。
4. まとめ
高齢者の転倒・転落は深刻な事故につながる可能性があります。 まずは冷静に対応し、必要な場合は速やかに救急車を呼ぶことが重要 です。
応急処置のチェックリスト
☑ 転倒直後の状況を確認し、無理に動かさない ☑ 頭部や骨折の有無をチェックし、適切な処置を行う ☑ 救急車が必要な場合は迷わず119番に連絡 ☑ 転倒後の生活習慣を見直し、事故を防ぐための対策を講じる
日頃から転倒リスクを減らすための対策を実践し、安心・安全な生活を送りましょう!
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