「尊厳死宣言公正証書」とは?

みなさんは「尊厳死宣言公正証書」というものをご存知でしょうか。

「尊厳死」という言葉を聞くと、少し重たく感じるかもしれません。でも、これは「自分らしい最期を迎えるための準備」と考えれば、とても大切なことです。

尊厳死宣言公正証書とは、「延命措置を望まない」という意思を明確にし、公証人によって法的に証明された公的な文書です。

これを作成しておくことで、自分がもし意思表示できなくなったときに、家族や医療関係者が判断に迷うことなく、本人の希望を尊重しやすくなります。


なぜ尊厳死宣言が必要なのか?

「もし、病気や事故で意識を失い、回復の見込みがない状態になったら……?」

そんな状況になったとき、あなたの家族は医師から「延命措置を続けますか?」と尋ねられます。

しかし、家族にとって「延命措置をやめる決断をする」というのは、とても辛いことです。あなたの気持ちがわからないまま、迷いや後悔を抱えながら決断しなければならないかもしれません。

このような負担を減らし、自分の意思をはっきり伝えておくために尊厳死宣言が役立ちます


尊厳死宣言公正証書を作成するメリット

家族の精神的負担を軽減できる
医療現場での対応がスムーズになる
自分の意思を確実に伝えられる
公正証書なので法的証明力が高い

「もしもの時」に備えておくことで、家族が迷わずあなたの意思を尊重できるようになります。


尊厳死宣言の見本

以下は、一般的な尊厳死宣言の内容です。


尊厳死宣言書

作成年月日:〇〇年〇〇月〇〇日
氏名:〇〇〇〇(フリガナ)
生年月日:〇〇年〇〇月〇〇日
住所:〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地

私は、回復の見込みがない末期状態に陥った場合、延命措置を拒否し、自然な死を迎えることを望みます。また、私の家族や医師が、この意思を尊重し、適切な対応をとってくださることを願います。

具体的には、以下の医療行為を望みません。

  1. 人工呼吸器の装着
  2. 心肺蘇生(CPR)
  3. 経管栄養(胃ろう・経鼻チューブなど)
  4. 人工透析(末期状態において)

一方で、以下の医療行為は希望します。

  1. 痛みを和らげるための緩和ケア(鎮痛剤の使用など)
  2. 呼吸を楽にするための酸素吸入

また、この意思を確実に実行するため、以下の者を医療代理人として指定します。

医療代理人:〇〇〇〇(続柄:〇〇)
連絡先:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

この宣言が適切に尊重されることを希望します。

署名:〇〇〇〇
押印:____


どうやって作成する?

尊厳死宣言を公正証書として作成するには、公証役場で手続きを行う必要があります。一般的な流れは以下の通りです。

  1. 公証役場に相談する(予約を取る)
  2. 必要書類を準備する(本人確認書類など)
  3. 公証人と面談し、内容を確認する
  4. 公正証書の作成と署名・押印
  5. 完成した証書を家族や医療機関と共有する

費用は 1~2万円程度 が一般的です。


最後に

「尊厳死宣言」と聞くと、少し重い話に感じるかもしれません。でも、これは「人生の最後をどう迎えたいか」を考える、大切な準備です。

「まだ早いかな……?」と思っている方も、いつかのために、少しずつ考えてみるのも良いかもしれません。

大切なのは、自分が望む生き方・最期を決め、それを家族や周りの人と共有すること

その一歩として、尊厳死宣言公正証書の作成を検討してみてはいかがでしょうか?

あなたらしい生き方を、大切にしてくださいね。

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