はじめに
エンディングノートを書こうと思っても、実際に「何をどのくらい書けばいいのか?」と迷う方が多いのではないでしょうか。ノートにいろいろな項目を書き始めると、途中で抜け漏れが気になったり、書いていて「本当に必要?」と疑問に思ったりすることもあります。
本記事では、家族が困らず、あなたの想いもしっかり伝わるために、エンディングノートに入れておきたい必須項目をリストアップします。必要な情報がきちんとまとまることで、万が一のときに周囲がスムーズに対応できるだけでなく、あなた自身の安心にもつながります。
1. 基本情報・緊急連絡先
- 本人情報:氏名、旧姓(必要があれば)、生年月日、住所、連絡先電話番号
- 家族や親族の詳細:配偶者や子ども、親、きょうだいの連絡先
- 友人・知人の連絡先リスト:特にお世話になった人や会社関係、趣味仲間など
- 緊急連絡先:かかりつけ医、病院、もしものときに連絡してほしい人
ポイント
- 基本情報や緊急連絡先は、一番初めのページにまとめると見やすい。
- 住所や電話番号などは引っ越しや機種変更で変わりやすいため、更新日を必ず書いておく。
2. 財産・契約に関する情報
- 預貯金口座:銀行名・支店名・口座番号、ネットバンキング情報
- 証券・投資信託:証券会社名、口座番号、取引の有無
- 不動産・土地:所有している場合、その地番や物件情報
- 保険・年金:契約している保険会社、保険種類、証券番号、年金の種類など
- クレジットカード・ローン:カード会社名、会員番号、返済中ローンの残高や返済方法
ポイント
- 財産や契約情報は家族が一番困る部分。後からでも追記しやすいよう、見出しをまとめる。
- パスワードやIDを記載する場合は、**安全な方法(暗号化や別紙に管理など)**を検討する。
3. 医療・介護の希望
- 延命治療の希望:人工呼吸器や胃ろうなど、どの程度の治療を望むか
- 介護の方法:自宅介護、施設入居、デイサービスの希望など
- 認知症への備え:代理人の設定(任意後見人制度など)、財産管理の方針
- かかりつけ医や服薬情報:病院名・医師名、服用している薬のリスト
ポイント
- 医療や介護の希望は、「できればやってほしい」「これは避けたい」といった具体例を交えると家族が判断しやすい。
- 「治療費をどう賄うか」「介護費用はどの口座から払うか」など資金の流れも書いておくと安心。
4. 葬儀・お墓に関する希望
- 葬儀の形式:一般葬、家族葬、直葬など
- 宗派・宗教の有無:お経やお坊さんの手配が必要かどうか
- お墓の場所:先祖代々の墓、樹木葬、散骨など、希望する供養方法
- 参列者・知らせてほしい人:友人や会社関係者など、連絡してほしい人のリスト
- 費用の支払い方法:葬儀費用をどの口座から支払うか、保険でまかなうか
ポイント
- 葬儀や埋葬方法に対する希望は人それぞれ。具体的にリクエストしておくことで家族が迷わずに済む。
- 「音楽葬をしてほしい」「戒名はいらない」などの要望があれば明確に書く。
5. デジタル遺産の管理
- SNSアカウント情報:Facebook、Twitter(X)、InstagramなどのID・パスワード
- メールアドレス:主要なメールアドレスとログイン方法
- サブスクリプション:Netflix、Amazonプライム、Spotifyなどの解約手順
- PC・スマホのロック解除方法:指紋認証、PINコードなど
ポイント
- デジタル遺産は放置すると、毎月の料金が引き落とされ続けるなど家族に負担がかかる。
- 安全管理が課題なので、全てを一元管理するのではなく、別の用紙やクラウドに分けて保管する方法も検討する。
6. 大切な人へのメッセージ
- 家族への感謝や謝罪:恥ずかしがらずに素直に言葉にする。
- 友人への思い:学生時代の友人、趣味仲間など、一緒に過ごした思い出を綴る。
- 自分の人生の振り返り:生い立ちや苦労したこと、楽しかったことなど。
- 次世代へのアドバイス:子や孫へ伝えたいこと、人生の先輩としてのメッセージ。
ポイント
- 「あまりたくさん書くのは苦手…」という場合は、一言ずつ短いメッセージを箇条書きにしても良い。
- 写真を貼ったり、絵を描いたりしてもOK。自由に表現してこそエンディングノート。
7. まとめ
エンディングノートの必須項目は、自分が「これは伝えたい」「残したい」と思う情報を中心にまとめることが大切です。すべてを一度に完璧に書く必要はありません。まずは優先度の高い情報から、少しずつ埋めていきましょう。
- 家族が困らないための情報(財産、医療、葬儀)を最優先
- デジタル遺産やSNSアカウント情報も忘れずに
- 大切な人へのメッセージで想いを伝える
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