相続手続きは、遺言書がないと非常に煩雑になることがあります。
たとえ小さな土地や家の相続であっても、相続人全員の署名や印鑑が必要になるため、スムーズに進めるのが難しいケースが少なくありません。
特に、相続人と連絡が取れない場合や、意見がまとまらない場合は手続きが長引き、精神的な負担も大きくなります。
一方で、遺言書がある場合は、誰がどの財産を相続するのかが明確に決められているため、手続きが早く、相続争いが起こるリスクも抑えられます。
そこで今回は、遺言書がある場合の不動産相続手続きについて、具体的な流れや必要書類、注意点をわかりやすく解説します。
遺言書の種類と相続手続きの違い
遺言書には、大きく分けて 「自筆証書遺言」 と 「公正証書遺言」 の2種類があります。
それぞれの違いを理解しておくことで、相続手続きを円滑に進めることができます。
🔹 自筆証書遺言
➡ 自分で書く遺言書。
➡ さらに 「法務局で保管されたもの」 と 「保管されていないもの」 に分かれる。
✅ 法務局で保管された自筆証書遺言
- 2020年7月からスタートした 「法務局の遺言書保管制度」 を利用した遺言書。
- 遺言者が生前に法務局へ提出するため、紛失・改ざんのリスクがない。
- 相続発生後の検認手続きが不要 なので、すぐに相続手続きを開始できる。
❌ 法務局に保管されていない自筆証書遺言
- 相続人が発見した場合、家庭裁判所で「検認手続き」をしないと相続手続きが進められない。
- 検認とは?
→ 遺言書が本物かどうか、裁判所が形式面をチェックする手続き。
→ 遺言の内容の正当性を判断するものではないため、不満があれば「無効の訴え」を起こす必要がある。 - 検認が終わると「検認済証明書」が発行され、それを添えて相続手続きを進めることになる。
🔹 公正証書遺言
➡ 公証人が作成し、公証役場で保管される遺言書。
➡ 検認手続きが不要 で、すぐに相続手続きに入れる。
➡ 法的に安全性が高く、もっとも推奨される方式。
遺言書の内容が「法定相続」か「遺贈」かによる手続きの違い
遺言書の内容によって、不動産の相続手続きの進め方が異なります。
✅ 法定相続人に対して相続させる場合
- 遺言で法定相続人に不動産を相続させる内容である場合、財産を受け取る相続人 のみ で手続きを進められる。
- ほかの相続人の同意や書類は不要なため、スムーズに手続きが進む。
✅ 遺贈(法定相続人以外に財産を渡す場合)
- たとえば「孫」や「お世話になった人」、「寄付」などの場合。
- 受遺者(財産をもらう人)と、その他の相続人全員が共同で手続きを進める必要がある。
- 書類も多くなり、場合によっては遺言執行者を立てる必要がある。
遺言書がある場合の不動産相続の必要書類
📌 必要書類一覧
✅ 遺言書(自筆証書 or 公正証書)
✅ 登記申請書(不動産の名義変更用)
✅ 遺言者の死亡の記載がある戸籍謄本
✅ 遺言者の住民票の除票または戸籍の附票
✅ 財産をもらう人の住民票
✅ 財産をもらう人の戸籍謄本
✅ 相続対象不動産の固定資産評価証明書、全部事項証明書
📌 遺贈がある場合の追加書類
✅ 対象不動産の権利証(登記識別情報)
✅ 相続人全員の印鑑証明書 or 遺言執行者の印鑑証明書
✅ 相続人全員の戸籍謄本(遺言執行者がいれば不要)
遺言執行者の役割と重要性
遺言書で 「遺言執行者」 を指定しておくと、手続きがスムーズになります。
遺言執行者とは、遺言の内容を実行する責任を持つ人 です。
🔹 遺言執行者を指定するメリット
✅ 相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明書が不要になる。
✅ 遺言執行者が単独で手続きを進められるため、トラブルが起こりにくい。
✅ 遺言書に記載がない場合は、家庭裁判所で選任手続きを行うことも可能。
遺言書がある場合の不動産相続の流れ
✅ 遺言書が公正証書の場合(最もスムーズな手続き)
- 遺言書を確認する(公証役場で謄本を取得)
- 必要書類を準備する
- 法務局で相続登記を申請する
- 手続き完了後、不動産の名義が変更される
✅ 遺言書が自筆証書(法務局未保管)の場合
- 家庭裁判所で検認手続きを行う
- 検認済証明書を取得する
- 必要書類を準備する
- 法務局で相続登記を申請する
- 名義変更完了
まとめ
✅ 遺言書があると、不動産の相続手続きがスムーズに進む!
✅ 公正証書遺言なら、検認手続きが不要でより円滑に!
✅ 遺言書の内容が「法定相続」か「遺贈」かで手続きが変わる!
✅ 遺言執行者を指定すると、さらにスムーズ!
遺言書が適切に作成されていれば、相続の負担は大きく減ります。
円滑な相続のために、遺言書の準備を進めておくことをおすすめします!
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