私たちは「死」というものを当たり前のように受け入れています。しかし、もし「死は存在しない」と言われたらどう感じるでしょうか? 田坂広志さんの著書『死は存在しない』は、そんな衝撃的な仮説を科学的な視点から展開しています。この本の内容を紐解きながら、「生」と「死」の本質について考えてみましょう。
ゼロポイントフィールド仮説とは?
本書では、意識が肉体とともに消滅するのではなく、「ゼロポイントフィールド」と呼ばれる宇宙の根源的なエネルギー場に記録され続けるという仮説が紹介されています。これは、量子物理学の概念であるホログラム原理に基づいており、私たちの意識情報が宇宙の至るところに偏在する量子真空波動情報として保存されるという考え方です。
つまり、私たちの意識は肉体が朽ち果てた後も存在し続け、他の意識や知識と相互作用しながら変化し続ける——そんな可能性があるのです。
宇宙はすべて一つだった?
インフレーション宇宙論によれば、宇宙が膨張を始める前はすべてが一つだったとされています。もし、過去・現在・未来のすべての情報が量子真空に蓄積され、そこに私たちの意識の情報も含まれているとするならば、意識は単なる脳の働きではなく、宇宙そのものと深く結びついた存在だと考えることができます。
この考え方を受け入れるなら、「死」は肉体の終焉を意味しても、意識の消滅を意味するわけではないのかもしれません。私たちはただ「形を変えて存在し続ける」だけなのかもしれないのです。
それでも、死は怖いし悲しい
理論的には「死は存在しない」と理解できても、身近な人の死を経験すれば、私たちは深い悲しみを抱きます。どんなに科学的な根拠が示されようとも、愛する人を失う悲しみや恐怖を簡単に割り切ることはできません。
それでも、この本が提示する仮説は、「死」に対する捉え方を変える一つのきっかけになるかもしれません。もし、私たちの意識がこの宇宙に刻まれ、存在し続けるのであれば、亡くなった人とのつながりもまた、消えることはないのかもしれません。
まとめ:死とは何か、改めて考える機会に
『死は存在しない』は、量子論と意識の関係を通じて「死とは何か?」という根源的な問いに挑む一冊です。科学的な視点と哲学的な思索が交差するこの本を読むことで、生と死について新たな見方が得られるかもしれません。
死を「終わり」ではなく「変化」と捉えることができたなら、私たちはより穏やかに、そして前向きに人生を歩むことができるのではないでしょうか。
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