相続って何?基本のキから学ぶ『相続入門』

相続という言葉を聞くと、「お金持ちの問題」「自分には関係ない」と思う人も多いかもしれません。しかし、相続は誰にでも起こる身近な問題です。親や配偶者が亡くなったとき、財産がある限り、相続の手続きが発生します。

本記事では、相続の基本的な仕組みや手続きの流れをわかりやすく解説します。


1. 相続とは?

相続とは、亡くなった人(被相続人)の財産や権利・義務を、法定相続人が引き継ぐことを指します。

相続の対象となるのは、

  • プラスの財産(現金、預貯金、不動産、株式など)
  • マイナスの財産(借金、未払いの税金、保証債務など)

相続は「財産をもらえるもの」と考えがちですが、借金などの負の遺産も含まれるため、注意が必要です。


2. 法定相続人とは?

法定相続人とは、法律で定められた相続の権利を持つ人のことです。主に以下の順位で決まります。

順位法定相続人相続割合(配偶者ありの場合)
第1順位子(養子も含む)配偶者:1/2、子:1/2(子が複数いる場合は均等分割)
第2順位直系尊属(父母・祖父母)配偶者:2/3、直系尊属:1/3
第3順位兄弟姉妹配偶者:3/4、兄弟姉妹:1/4

例えば、

  • 被相続人に配偶者と子供がいる場合、配偶者と子供が相続人となります。
  • 子供がいない場合は、親(直系尊属)が相続人になります。
  • 親もいない場合は、兄弟姉妹が相続人となります。

3. 相続の流れ

相続は、被相続人の死亡後、次のような手順で進められます。

① 死亡届の提出(7日以内)

死亡届を市区町村役場に提出します。

② 相続人の確認と遺言書の有無の確認

遺言書があるかどうかを確認し、法定相続人を確定します。遺言書がある場合は、その内容に従って相続が進みます。

③ 財産の調査

被相続人が所有していた財産(預貯金、不動産、株式、借金など)をリストアップし、相続財産の全体像を把握します。

④ 遺産分割協議

相続人同士で、どの財産を誰がどのように相続するかを話し合い、合意が得られたら「遺産分割協議書」を作成します。

⑤ 相続税の申告・納付(10か月以内)

基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える財産がある場合は、相続税の申告と納付が必要になります。

⑥ 財産の名義変更・相続手続き

銀行口座や不動産の名義変更を行い、正式に財産を引き継ぎます。


4. 相続でよくあるトラブルと対策

相続はスムーズに進めば問題ありませんが、意見の対立が原因でトラブルに発展することもあります。以下のような問題がよく発生します。

「遺産の分け方でもめる」対策:生前に遺言書を作成し、分割方法を明確にしておく。

「借金があることが発覚する」対策:財産の調査を徹底し、必要に応じて相続放棄を検討。

「亡くなった人の銀行口座が凍結される」対策:早めに相続手続きを進め、必要な書類を整える。

相続トラブルを防ぐためには、生前の準備が大切です。家族間で相続について話し合い、遺言書を作成することで、トラブルを回避することができます。


5. まとめ

相続は「誰にでも起こるもの」であり、避けて通ることはできません。スムーズに手続きを進めるためには、

  • 相続の基本知識を身につけること
  • 財産の整理や遺言書の作成を行うこと
  • 相続トラブルを未然に防ぐ準備をすること

が重要です。

相続に関する疑問や不安がある方は、専門家(行政書士・税理士・弁護士)に相談するのも一つの方法です。

これを機に、ご自身やご家族の相続について考えてみてはいかがでしょうか?


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