はじめに
エンディングノートは家族や大切な人のために残すもの。しかし、書き方や保管方法を誤ると、せっかくのノートがかえって混乱を招いてしまうこともあります。この記事では、よくあるトラブル事例と、その回避策をまとめました。「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないために、ぜひ参考にしてください。
1. よくあるトラブル事例
- ノートが見つからない
- 家族がノートの存在を知らない。
- 保管場所が分からず、肝心な時に見つからない。
- 内容が古く、間違っている
- 銀行口座や連絡先が変更されている。
- 医療や介護の希望が時代や状況と合わなくなっている。
- パスワード・IDが分からないまま
- デジタル遺産を管理すると書いてあったのに、肝心のパスワードが書いていない。
- パスワード変更をしたが、エンディングノートには反映されていない。
- 家族内で意見が対立する
- 葬儀の希望をノートに書いてあったが、親族の一部が反対してトラブルに。
- 遺産分割の内容が誤解を生み、親族間の争いへ発展。
2. トラブルを回避するためのポイント
- 家族と話し合う
- エンディングノートの存在、保管場所、書いた内容を家族に伝えておく。
- 特に葬儀やお墓の希望などは、できれば口頭でも意見をすり合わせておく。
- 定期的に見直し・更新する
- 口座情報や連絡先は、いつの間にか変わることが多い。
- 半年〜1年に一度はノートを開き、最新情報に書き換える。
- デジタル遺産管理をしっかり行う
- IDやパスワードは別紙にまとめる、もしくは暗号化して保管する。
- エンディングノート自体にパスワードを書きすぎるとセキュリティ面でリスクも。
- ノートの位置付けを理解する
- エンディングノートに法的拘束力はない。
- 遺言書が必要な内容(遺産分割や相続など)は、正式な手続きも検討する。
3. 家族や友人に共有する方法
- コピーを取っておく
- オリジナルは自分が保管し、コピーを信頼できる家族に預ける。
- クラウドで共有
- デジタルエンディングノートを利用して、家族にアクセス権限を与える。
- 定期的に家族会議を開く
- 「大げさ」と思うかもしれませんが、年に一度くらいは「ノートの更新点」を話し合うのも方法。
4. 書く前に知っておきたい法律のポイント
- 相続や遺産分割
- 法的拘束力を持たせたいなら、別途で遺言書を作成する。
- 任意後見制度
- 認知症などに備えて、信頼できる人を「任意後見人」として設定する方法。
- 尊厳死宣言公正証書
- 医療行為をどこまで受けるか公正証書にしておくことで、家族が判断しやすい。
5. まとめ
エンディングノートで後悔しないためには、以下を意識しましょう。
- 家族とコミュニケーションを密にする。
- 内容を常に最新に保つように見直す。
- デジタル遺産のパスワード管理を徹底する。
- 法的拘束力が必要な内容は専門家に相談し、遺言書を整備する。
エンディングノートは「書いたら終わり」ではなく、書いた後からが本番です。情報をアップデートし、家族に周知させることで、トラブルを未然に防げます。
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