ここ最近「デジタル終活」を行なっていなかったことで、多大な損失やトラブルが発生している事例が多くあります。
現代社会では、私たちの生活の多くがデジタルの世界に依存しています。しかし、「デジタル終活」をしていないと、思わぬトラブルが発生することがあります。本記事では、実際に起こったデジタル終活を怠ったことによる悲劇的な事例を紹介し、そこから学べる教訓を解説します。
1. SNSアカウントが乗っ取られたケース
事例:亡くなった後に突然投稿が…
ある男性が突然この世を去り、家族は深い悲しみに包まれていました。彼の思い出を大切にしながら日々を過ごしていたある日、突如として彼のFacebookアカウントから不審なメッセージが投稿されました。驚きと混乱の中、家族は彼のアカウントにアクセスしようとしましたが、すでに第三者の手によって乗っ取られ、不適切な投稿や詐欺行為に利用されていたのです。家族は急いで対応を試みたものの、対応の遅れにより被害が拡大してしまいました。家族はFacebookに通報し、アカウントの凍結を依頼しましたが、対応に時間がかかり、その間にさらなる被害が広がりました。
教訓
- 生前にSNSアカウントの管理を考える。
- 「追悼アカウント」機能を活用する(FacebookやInstagramにある)。
- 信頼できる家族にアカウント情報を共有しておく。
- 亡くなった際に、迅速に対応できるよう事前に対策を考える。
2. オンライン銀行口座の資産が凍結
事例:数百万円の電子マネーが引き出せない
ある高齢男性がオンラインバンクや仮想通貨で資産を管理していました。しかし、彼が亡くなった後、家族は口座情報を知らず、暗証番号も不明。金融機関に問い合わせたものの、本人確認ができないため、資産を引き出すことができず、数百万円が宙に浮く形となりました。
教訓
- 重要な金融アカウントの一覧を作成し、家族に保管場所を伝える。
- 遺言書にデジタル資産の詳細を記載する。
- 遺族がアクセスできるよう、パスワード管理ツールを活用する。
3. 大切な写真データが失われる
事例:クラウドに保存していた思い出が消えた
子供の成長記録や家族の思い出の写真をクラウドストレージに保存していたが、亡くなった後、家族がログインできずにデータが失われてしまったケース。一定期間ログインがないと、クラウドサービスがアカウントを削除するため、すべての写真が消えてしまった。
教訓
- 大切なデータは外付けハードディスクやUSBにバックアップする。
- 家族とデータ共有フォルダを作成する。
- クラウドサービスの「家族共有」機能を活用する。
4. サブスク料金が引き落とされ続ける
事例:亡くなった後も毎月クレジットカードから支払いが…
ある人がNetflixやAmazonプライムなどのサブスクリプションサービスを利用していたが、亡くなった後も自動引き落としが続いていた。家族は気づくのが遅れ、数年間にわたり不要な支払いを続けることに。
教訓
- 使用しているサブスクリプションのリストを作成する。
- クレジットカードの明細を定期的に家族が確認できるようにする。
- 家族にアカウント情報を伝え、解約できるようにする。
5. ブログやサイトが閉鎖される
事例:長年運営していたサイトが消滅
あるブロガーが急死し、ドメインやサーバーの契約更新ができなくなったため、長年書き溜めた記事がすべて削除されてしまった。彼の家族はブログの存在すら知らず、何も手を打てなかった。
教訓
- 遺族が管理できるよう、ブログやサイトの情報を記録する。
- 重要な記事はローカルに保存しておく。
- 信頼できる人にサイト運営の継承方法を決めておく。
デジタル終活でやるべきこと
- デジタル資産リストを作る(SNS、金融、サブスク、ブログなど)
- パスワード管理ツールを活用する(1PasswordやGoogleのパスワードマネージャーなど)
- 信頼できる家族に情報を伝える(エンディングノートに記載するのも良い)
- 遺言書にデジタル資産の取り扱いを明記する
- 重要なデータはバックアップする(外付けHDDやUSBなど)
まとめ
デジタル終活を怠ると、家族にとって大きな負担になったり、貴重な資産や思い出が失われたりするリスクがあります。この記事で紹介した事例を参考に、今のうちにデジタル資産を整理し、家族が困らないように準備をしておきましょう。
デジタル時代において、「終活」は紙の遺言だけでは完結しません。デジタル資産も適切に管理し、安心して人生を締めくくる準備を始めてみませんか?
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