「エンディングノート」を書いたら、遺言書は不要?法的効力の違いを徹底解説

はじめに

エンディングノートを書き始めた方が、次によく疑問に思うのが「遺言書の必要性」です。エンディングノートに「財産の分配方法」や「葬儀の希望」などを書いたのに、わざわざ遺言書を用意する必要はあるのでしょうか?ここでは、エンディングノートと遺言書の違い、それぞれの役割を理解し、あなたの状況に合った選択肢を見つけるためのポイントをお伝えします。


1. エンディングノートと遺言書の大きな違い

  1. 法的拘束力の有無
    • エンディングノート:法的効力はなく、あくまで家族への伝達ツール。
    • 遺言書:法律の定める形式を満たせば、法的拘束力を持つ。
  2. 主な目的
    • エンディングノート:葬儀の希望や、日常的な契約情報、家族へのメッセージなどの整理。
    • 遺言書:遺産分割の指定や相続に関わる事項を法律的に確定する。

2. こんな人は遺言書が必要!

  1. 特定の相続人に多く財産を残したい場合
    • 法定相続分と異なる分配をしたい場合、遺言書がないと争いになるリスクが高い。
  2. 相続人が複数いて、関係が複雑な場合
    • 事業承継、不動産の共有など、利害が衝突する可能性があるときは、正式に遺言書で決めておくと安心。
  3. 血縁以外の人に財産を譲りたい場合
    • 法律上の相続人ではない人(内縁の妻、特別にお世話になった友人など)に財産を与えたいなら、遺言書で明記する必要がある。

3. エンディングノートが補完してくれるもの

  1. 日常的な情報の整理
    • 預貯金の通帳やネットバンキングのパスワード、SNSアカウントの情報など、遺言書に書くには細かすぎる情報をエンディングノートに記載できる。
  2. 葬儀やお墓の希望、デジタル遺産処理
    • こういった事項は法的拘束力よりも「家族への希望や依頼」の性質が強く、エンディングノートと相性が良い。
  3. 家族への感謝やメッセージ
    • 遺言書は形式が厳格で、想いを自由に書くのは難しい。エンディングノートなら気持ちを存分に伝えられる。

4. エンディングノートと遺言書を併用するときの注意点

  1. 内容の矛盾を避ける
    • 遺産分割の希望など、遺言書と重なる項目があれば、法的効力を優先する。エンディングノートの記載とズレがあると家族が混乱する。
  2. 遺言書の形式を満たす
    • 自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など、法律上の書式や証人の要件をチェック。
  3. 定期的に両方を見直す
    • ライフイベントや財産の変化があった際、遺言書とエンディングノートの記載を一致させる。

5. まとめ

エンディングノートは家族への想いを伝え、日常的な情報を整理する上で非常に役立ちますが、相続や財産分割など「法律的に効力を持たせたい」事項については遺言書が必要です。2つをうまく使い分け・併用することで、万が一のときに家族がスムーズに対応できるでしょう。

  • エンディングノート:家族への伝達ツール、補完的な役割
  • 遺言書:法律に基づく遺産分割の確定

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